「ロシア現代音楽協会(ACM)との作品交流演奏会 2012-I」に

「無伴奏フルートの為の三章」(改訂初演)

1. 典礼  (tenrei)

2. 饗宴  (kyoen)

3. 祭祀  (saishi)


を出品しました

2012年11月15日(木)

独奏フルート

 泉 真由

  この世の命ある存在は全て、他の生命を糧としてのみその命を維持し続けることができる。

 このどうあっても変えようのない摂理について考える時、私は例えば獰猛な捕食動物の狩りを、あるいは古代の生け贄の祭礼などを思い浮かべずにはいられない。

 そういった原初よりの生命の営みを、三つの赤裸々な場面を通して見つめてみようとしたのが、この三曲なのである。

 第一曲の「典礼」とは、捕食の意志の芽生え、あるいは一個の生命が犠牲として捧げられることに対する厳かな決定の儀式。第二曲の「饗宴」とは、獲物を狩るという冷徹な行為のひたむきな実行、ひとつの生命が奪われ、供せられる刹那の有様。そして第三曲の「祭祀」とは、根源的な充足を得た生命の、力強い法悦がほとばしる忘我の境地を描いている。

作品の解説

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試聴音源 ※作品の一部です